「ドライヘッドスパで開業したいけど、結局いくらかかるの?」
これは開業を考える方からよく聞かれる質問です。実は、開業から1年以内に約60%が廃業するという厳しい現実があります。その多くが「資金計画の甘さ」に起因しています。
本記事では、2026年最新の相場データをもとに、ドライヘッドスパ開業に必要な資金を徹底解説します。
【結論】開業資金の総額目安
まずは結論から。開業形態別の初期投資額は以下の通りです。
開業形態 | 初期投資総額 | 特徴 |
|---|---|---|
テナント型(4席) | 500〜600万円 | 拡大志向向け |
マンション型(1〜2席) | 150〜300万円 | スモールスタート向け |
シェアサロン型 | 数万〜数十万円 | 超低リスク参入 |
ドライヘッドスパは美容師免許が不要で、水を使わないため設備投資を抑えられる一方、資金計画を誤ると即廃業というリスクもあります。
開業全般については「ドライヘッドスパ開業完全ガイド」も併せてご覧ください。
初期費用の内訳詳細
初期費用は大きく4つのカテゴリに分けられます。
1. 物件取得費(初期投資の30〜50%)
物件取得費は最大のコスト要因です。
費目 | テナント | マンション |
|---|---|---|
敷金・保証金 | 家賃の6〜10ヶ月分 | 家賃の3〜6ヶ月分 |
礼金 | 1〜2ヶ月分 | 0〜2ヶ月分 |
前家賃 | 1ヶ月分 | 1ヶ月分 |
仲介手数料 | 1ヶ月分 | 1ヶ月分 |
適正家賃の目安:坪単価10,000〜15,000円
- 坪単価10,000円以下:集客力に欠ける立地の可能性
- 家賃総額30万円超え:損益分岐点が跳ね上がり、赤字リスク増大
2. 内装工事費
ドライヘッドスパ最大の特徴は「暗い空間」であること。視覚的な豪華さは不要です。
工事区分 | 費用目安 | ポイント |
|---|---|---|
スケルトン工事 | 200〜300万円 | 自由度高いが回収期間長い |
居抜き物件活用 | 50〜150万円 | マッサージ店跡など |
簡易内装(マンション) | 10〜50万円 | 遮光カーテン・間接照明のみ |
投資すべきポイント:
- 防音対策(隣のブースの声が聞こえると致命的)
- 調光設備(リラックス効果に直結)
- 空調(快適温度は商品そのもの)
3. 設備・備品費
項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
リクライニングチェア | 3〜8万円/台 | 手動式でも十分 |
音響設備 | 5〜20万円 | BGMの均一配置が重要 |
業務用エアコン | 50万円〜 | 静音性重視 |
リネン類 | 5〜10万円 | フェイスタオル100枚程度 |
その他備品 | 10〜30万円 | 受付家具、消耗品など |
タオルのコスト削減:レンタルタオル(1枚約20円)も選択肢。自店洗濯の手間とコストを比較検討しましょう。
4. 広告宣伝費
開業直後は自然流入が期待できないため、Web集客が必須です。
項目 | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
ホットペッパービューティー | 月額数万〜数十万円 | マンション店舗では「家賃の一部」に |
自社サイト構築 | 10〜50万円 | 長期的な広告費削減に |
初期広告予算 | 30〜50万円 | オープン3ヶ月分を確保 |
開業形態別の費用比較
テナント型(4席規模):拡大志向向け
初期投資総額:約542万円〜
費目 | 金額 |
|---|---|
物件取得 | 200万円 |
内装工事 | 200万円 |
設備・備品 | 100万円 |
広告・その他 | 42万円 |
メリット:
- 路面店や看板設置による視認性
- ペア客(カップル・友人)の受け入れ可能(全体の約30%)
- スタッフ雇用で売上の天井を高く設定
デメリット:
- 固定費が重く、撤退時の原状回復費用も高額
- ハイリスク・ハイリターンなモデル
マンション型(1〜2席):スモールスタート向け
初期投資総額:150〜300万円 メリット:
- 家賃・光熱費が圧倒的に安い
- 損益分岐点が低い(月商30〜50万円でも黒字)
- 生存率が高い
デメリット:
- 心理的な入店ハードルが高い
- ペア客を断らざるを得ない(大幅な機会損失)
- 男性客の受け入れ制限も
シェアサロン型:超低リスク参入
初期投資:数万〜数十万円
ランニングコスト | 金額 |
|---|---|
月額固定プラン | 2〜5万円+売上の数%〜30% |
時間貸し | 1時間1,000〜1,200円 |
メリット:
- 敷金・礼金・内装費ゼロ
- 借金なしで即日開業可能
- タオル・光熱費が利用料に含まれる場合も
デメリット:
- 独自の世界観を構築できない
- 顧客リストや物販に制限あり
- 店舗資産(ブランドエクイティ)が積み上がりにくい
資金調達方法
1. 日本政策金融公庫「新規開業資金」
創業融資の王道です。
項目 | 内容 |
|---|---|
基準金利 | 2.30〜3.35%(無担保・無保証人) |
女性・若者・シニア | 0.4〜0.9%の金利優遇あり |
推奨自己資金 | 創業資金の1/3〜1/2 |
融資審査のポイント:
- 「自己資金の蓄積過程」が最重視される
- 毎月の積立履歴が「計画性」と「返済能力」の証明に
- 見せ金(一時的な借入)は見抜かれ、即否決
2. 制度融資(自治体連携)
都道府県・市区町村と信用保証協会が連携する融資です。
特徴:
- 公庫より低金利(1%台〜)の場合も
- 着金まで2〜3ヶ月かかる
- スピード重視なら公庫、金利重視なら制度融資
3. 自己資金のみでの開業
最もリスクが低い方法ですが、手元流動性の確保も重要です。
推奨:自己資金で開業可能でも、運転資金として融資を確保しておくことで不測の事態に備えられます。
収支シミュレーション
モデルA:テナント出店(4席・スタッフ3名)
前提条件:都市部駅近、客単価6,000円、営業10時間/日、月25日営業
項目 | 稼働率50% | 稼働率30% |
|---|---|---|
月商 | 300万円 | 180万円 |
家賃 | 25万円 | 25万円 |
人件費 | 100万円 | 60万円 |
広告宣伝費 | 20万円 | 20万円 |
水道光熱費 | 5万円 | 5万円 |
雑費・消耗品 | 10万円 | 10万円 |
ローン返済等 | 15万円 | 15万円 |
営業利益 | 125万円 | 45万円 |
稼働率50%で利益が出る一方、30%に落ちると損益分岐点ギリギリに。
モデルB:マンション1室(1席・オーナー施術)
前提条件:家賃10万円、客単価7,000円、月25日営業
項目 | 稼働率40% |
|---|---|
月商 | 56万円 |
家賃 | 10万円 |
広告宣伝費 | 10万円 |
光熱費・通信費 | 3万円 |
消耗品・雑費 | 3万円 |
営業利益 | 30万円 |
会社員程度の手取りは確保できますが、将来的な拡大原資を貯めることは難しいモデルです。
節約・コスト削減のコツ
初期投資の圧縮
- 中古市場の活用:閉店サロンから流出する備品を狙う
- 照明マジック:内装の粗は暗くすれば見えない
- 居抜き物件を優先:前テナントの設備を流用
ランニングコストの削減
- 広告費の見直し:閑散期はHPBのプランを下げる
- 無料集客の徹底:Googleビジネスプロフィール、SNS更新
- レンタルタオル活用:洗濯の手間とコストを削減
必要な届出・許認可・保険
届出関係
届出先 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
税務署 | 開業届・青色申告承認申請書 | 開業から1ヶ月以内 |
保健所 | 原則不要(※自治体により異なる) | 念のため確認推奨 |
注意:「マッサージ」「治療」等の文言は国家資格保持者以外使用不可。広告は「リラクゼーション」「もみほぐし」等の表現に。
必須の保険
保険種類 | 対象リスク | 重要度 |
|---|---|---|
施設賠償責任保険 | 施術中の怪我、転倒事故 | 必須 |
受託者賠償責任保険 | 預かり品の盗難・破損 | 必須 |
生産物賠償責任保険(PL保険) | 商品による肌荒れ等 | 推奨 |
店舗休業補償保険 | 火災・設備故障時の利益補償 | 検討 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 自己資金ゼロでも開業できますか?
A:理論上は可能ですが、融資審査が厳しくなります。自己資金は創業資金の1/3〜1/2程度を準備することで、審査通過率が大幅に上がります。
Q2. フランチャイズと個人開業、どちらがいいですか?
A:FCは本部のWeb集客力を活用できるメリットがあります。一方、ロイヤリティや制約もあるため、自分のビジョンとコストを比較検討することが重要です。
Q3. 1席サロンでも十分稼げますか?
A:月30万円程度の手取りは可能ですが、ペア客(30%)を逃す機会損失、オーナー不在時の売上ゼロというリスクがあります。将来の拡大を見据えるなら2席以上を推奨します。
Q4. 開業後、黒字化までどのくらいかかりますか?
A:立地や集客力によりますが、一般的には3〜6ヶ月が目安です。それまでの運転資金として、固定費の6ヶ月分を確保しておくと安心です。
Q5. 内装にいくらかけるべきですか?
A:ドライヘッドスパは「暗闇が正義」。見栄えの良い内装より、防音・調光・空調に投資すべきです。居抜き物件+簡易内装で50〜150万円に抑えることを推奨します。
まとめ:成功する資金計画のポイント
ドライヘッドスパ開業で失敗しないための3つの鉄則:
- 内装より固定費を抑える:暗くすれば見えない。防音・空調に投資を
- 損益分岐点を低く設計:家賃は坪単価15,000円以内、総額30万円以下
- 運転資金を確保:固定費6ヶ月分+広告費を別途用意
開業形態別の推奨:
- 拡大志向:テナント型4席(初期投資500〜600万円)
- 堅実スタート:マンション型2席(初期投資200〜300万円)
- 超低リスク:シェアサロン型(初期投資数十万円)
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参考文献・出典
- 矢野経済研究所「睡眠関連ビジネス市場調査」
- 日本政策金融公庫「新規開業資金」金利情報(2025年2月時点)
- 各種サロン開業コンサルタント資料

