「予約は埋まっているのに、なぜか利益が残らない」
月に200人の顧客が来店し、予約は常に埋まっている。スタッフも頑張っている。なのに、月末に通帳を見ると、数字が思ったほど伸びていない。
実は、その原因は「客単価」にあるかもしれません。
客単価7,000円のサロンと10,000円のサロン。たった3,000円の差ですが、年間で見るとその影響は驚くほど大きいのです。
月間200人の顧客がいる場合
- 客単価7,000円:月商140万円、年商1,680万円
- 客単価10,000円:月商200万円、年商2,400万円
- 年間の差額:720万円
利益率を30%として計算すると、年間利益の差は216万円にもなります。
しかも、客単価を上げるということは、「新しい顧客を集める必要がない」「スタッフを増やす必要がない」「営業時間を延ばす必要がない」ということ。既存のリソースを最大化する、最も効率的な売上向上策なのです。
この記事では、ドライヘッドスパ・リラクゼーションサロン(2-4名規模)の経営者に向けて、客単価を7,000円から10,000円以上に引き上げる5つの戦略を、181件のリサーチデータと実例に基づいて完全解説します。
なぜ多くのサロンは「客単価5,000円の壁」を超えられないのか?
業界の現実:リラクゼーションサロンの客単価は4,000円
まず、業界の現実を見てみましょう。
業態別の平均客単価
- リラクゼーションサロン全体:約4,000円
- ドライヘッドスパ専門店:5,000-6,000円
- 美容室(ヘアサロン):7,293円
- エステサロン:7,027円
- ネイルサロン:5,930円
ドライヘッドスパは他の美容サロンと比べても決して高くありません。むしろ、美容室やエステより低い水準にとどまっています。
なぜでしょうか?
「安売り競争」から抜け出せない3つの理由
理由1:ホットペッパーの価格競争
ホットペッパービューティーで「ドライヘッドスパ」と検索すると、初回クーポンが並びます。4,980円、3,980円、中には2,980円という価格も。新規顧客を獲得するために、多くのサロンが低価格で勝負しています。
しかし、初回を安くすれば、2回目以降も「高い」と感じられてしまう。結果として、客単価5,000円前後に固定されてしまうのです。
理由2:「リラクゼーションは贅沢品」という思い込み
多くのオーナーが「お客様にとって、リラクゼーションは贅沢品。高くすると来なくなるのでは?」と不安を感じています。
でも、本当にそうでしょうか?
美容室は平均7,293円、エステサロンは7,027円。これらのサービスも「贅沢品」ですが、多くの人が月に1-2回通っています。なぜなら、価格以上の「価値」を感じているからです。
理由3:自分のサービスの価値を過小評価している
「自分の施術なんて、そんなに価値があるのかな?」
多くのセラピストが、自分の技術を過小評価しています。しかし、あなたの施術で「頭痛が楽になった」「よく眠れるようになった」「仕事のパフォーマンスが上がった」と感じている顧客は確実にいます。
その価値を、あなた自身が認識し、適正な価格で提供する。それが、客単価向上の第一歩です。
客単価1,000円の違いが生む、年間216万円の利益差
もう一度、数字で考えてみましょう。
月間200人の顧客、利益率30%の場合
客単価 | 月商 | 年商 | 年間利益 |
|---|---|---|---|
7,000円 | 140万円 | 1,680万円 | 504万円 |
8,000円 | 160万円 | 1,920万円 | 576万円 |
9,000円 | 180万円 | 2,160万円 | 648万円 |
10,000円 | 200万円 | 2,400万円 | 720万円 |
客単価1,000円上げるごとに、年間利益は72万円増えます。7,000円から10,000円に上げれば、年間利益は216万円も増加するのです。
しかも、これは「同じ顧客数、同じ労働時間」で実現できる増益です。新規顧客を獲得するコストも、スタッフを増やす人件費も不要。これほど効率的な利益改善策は他にありません。

客単価を10,000円にする5つの戦略
戦略1:メニュー構成の最適化|「松竹梅の法則」を使いこなす
なぜ「3つの価格帯」が最強なのか?
人間は、選択肢が3つあると、真ん中を選ぶ傾向があります。これを「松竹梅の法則」と呼びます。
消費者心理のデータ
- 約60%が「竹(真ん中)」を選択
- 最も売りたい商品を中間価格に配置すると売上最大化
- 高価格帯(松)は「竹」を手頃に見せるアンカー効果
では、ドライヘッドスパのメニューをどう設計すべきか?
実践例:ドライヘッドスパ専門店のメニュー設計
❌ 悪い例(2価格帯のみ)
- 60分コース:6,000円
- 90分コース:9,000円
→ 9,000円が「高い」と感じられ、ほとんどの顧客が6,000円を選ぶ
⭕ 良い例(3価格帯)
- 梅:50分コース 4,800円(エントリー、初回お試し向け)
- 竹:70分コース 7,800円(推奨★、最も売りたいメニュー)
- 松:90分コース 12,000円(プレミアム、特別な日向け)
→ 60%の顧客が7,800円の「竹」を選び、客単価が自然に上がる
セットメニューで「お得感」を演出する
単品ではなく、セットメニューを用意することで、客単価を自然に引き上げられます。
人気のセットメニュー例
- ドライヘッドスパ60分 + アイケア10分:8,500円(単品合計9,000円→500円お得)
- ドライヘッドスパ60分 + フットケア20分:9,800円(単品合計10,000円→200円お得)
- ドライヘッドスパ90分 + 肩・首集中ケア:13,500円(単品合計15,000円→1,500円お得)
セットメニューのメリットは「お得感」の演出です。顧客は「500円安い!」と感じて購入しますが、サロン側は客単価が上がり、施術時間も効率化されます。
戦略2:アップセル・クロスセル|追加500円が年間120万円になる
高確率で購入されるオプションメニュー
施術中や会計時に、オプションを提案していますか?
「そんなことをしたら、押し売りと思われるのでは?」と不安かもしれません。でも、適切に提案すれば、顧客満足度は上がり、リピート率も向上します。
高確率で購入されるオプショントップ4
- アイケア(10分):+1,000円 → 追加率30-40%
- フットケア・足つぼ(20分):+2,000円 → 追加率20-30%
- アロマオイル変更:+500円 → 追加率40-50%
- 延長時間(10-30分):+1,000-3,000円 → 追加率15-25%
これらのオプションは、顧客の満足度を高めながら、客単価を500-2,000円上げることができます。
オプション提案の成功率を2倍にする「3つの言い方」
❌ 悪い提案(成功率10-15%)
「アイケアもいかがですか?」
→ これでは、顧客は「必要かどうか分からない」と感じて断ります。
⭕ 良い提案(成功率30-40%)
「〇〇様、今日の施術で、目の周りの筋肉もかなり緊張していました。デスクワークが多いとお聞きしましたが、眼精疲労のケアもすると、さらにスッキリしますよ。10分のアイケア、いかがですか?」
成功する提案の3つのポイント
- 個別化:「〇〇様は△△なので」と、その人専用の提案にする
- 効果を具体的に:「さらにスッキリします」「頭痛が楽になります」
- 選択肢を与える:「いかがですか?」と聞くことで、押し売り感を減らす
物販で客単価+1,500円を実現する
物販を導入していますか?
美容室では、店販を購入する顧客の客単価は、購入しない顧客より2,863円高いというデータがあります。リラクゼーションサロンでも同様の効果が期待できます。
売れ筋商品トップ5
- アロマオイル・エッセンシャルオイル(2,000-5,000円)
- 枕・ネックピロー(3,000-8,000円)
- アイマスク・ホットアイマスク(1,500-3,000円)
- 入浴剤・バスソルト(1,000-2,500円)
- セルフケアグッズ(ツボ押し棒、かっさ等、1,500-3,000円)
物販提案のゴールデンタイミング
- 施術後、効果を実感しているタイミング
- 「ご自宅でも同じケアを続けると、効果が持続しますよ」
- 「実際に私が使っているのは、この〇〇です」
物販の粗利率は50-60%と高く、月間20個販売すれば、月10万円、年間120万円の粗利が得られます。
回数券で「先取り売上」を確保する
回数券を導入していますか?
回数券には3つの大きなメリットがあります。
回数券導入の3つのメリット
- リピート率向上:「購入したから使おう」心理が働く
- 先取り売上:キャッシュフロー改善、月商の安定化
- 客単価アップ:一括購入により総額増加
推奨する回数券設計
- 5回券:45,000円(通常50,000円→5,000円お得、10%オフ)
- 10回券:85,000円(通常100,000円→15,000円お得、15%オフ)
- 有効期限:5回券は6ヶ月、10回券は12ヶ月
回数券購入者のリピート率は85-90%と非常に高く、年間来店回数も平均4.5回から8.2回に増加します。
戦略3:価格戦略と心理学|「9,800円 vs 10,000円」の驚くべき差
端数価格の威力
10,000円と9,800円。たった200円の差ですが、人間の脳は「9」と「10」を全く違う数字として認識します。
端数価格の心理メカニズム
- 左端効果:最初の数字を重視する(9と10の差を大きく感じる)
- 大台割れ効果:10,000円の壁を下回る安心感
- 実際の差額(200円)以上にお得感を感じる
適用例
- 10,000円 → 9,800円
- 7,000円 → 6,980円
- 5,000円 → 4,980円
ただし、注意点もあります。高級サロンを目指す場合、端数価格は逆効果になることも。ブランドイメージと整合性を保ちましょう。
アンカリング効果|最初の数字が判断基準になる
メニュー表で、最高価格を最初に表示していますか?
人間は、最初に見た数字が「基準(アンカー)」になり、その後の判断に影響します。
実践方法
- メニュー表で最高価格を最上部に配置
- 「通常35,000円のところ、初回限定12,000円」の順序で提示
- 高価格帯メニューとの比較で中価格帯が手頃に見える
これにより、本命の中価格帯メニューが「お得」に感じられ、客単価が自然に上昇します。
希少性の原理|「限定」が購買意欲を高める
「月10名様限定」「6月末まで」「リピーター様限定」
これらの「限定性」は、人間の購買意欲を大きく高めます。
限定性の種類と効果
- 数量限定:「月10名様限定」→ 早く決めないと損
- 期間限定:「6月末まで」→ 今決めないと損
- 会員限定:「リピーター様限定」→ 特別扱いされている感覚
限定性は、通常価格への納得感も形成します。「特別価格だから試してみよう」→「通常価格でも価値がある」という流れを作れます。
戦略4:顧客体験の向上|高単価サロンが実践している「5つの違い」
違い1:カウンセリング時間は15-30分
高単価サロンと低価格サロンの最大の違いは、カウンセリング時間です。
低価格サロン
- カウンセリング:5分程度
- 「今日はどうされましたか?」→ すぐ施術開始
高単価サロン
- カウンセリング:15-30分
- 悩みの深掘り、生活習慣のヒアリング、目標設定
- 「なぜその症状が起きているのか」を専門知識で説明
- 「どうすれば改善するか」を提案
カウンセリングが長いほど、顧客は「丁寧に見てもらえた」「自分のことを理解してくれた」と感じ、満足度が上がります。
違い2:五感への訴求
高単価サロンは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感すべてに配慮しています。
- 視覚:清潔感・高級感のある内装、照明
- 聴覚:心地よいBGM、声のトーン
- 嗅覚:アロマの香り、空間の匂い
- 触覚:タオルの質感、ベッドの寝心地
- 味覚:ウェルカムドリンク、アフタードリンク
これらすべてが一貫したコンセプトで統一されているとき、顧客は「特別な体験」を感じます。
違い3:アフターフォロー
施術後、顧客にLINEやメールでフォローしていますか?
高単価サロンのアフターフォロー例
- 施術後24時間以内:「本日はご来店ありがとうございました。お身体の調子はいかがですか?」
- 2週間後:「前回の施術から2週間経ちました。〇〇のお悩みは改善されましたか?」
- 1ヶ月後:「そろそろ次回のケアのタイミングです。ご予約はいかがですか?」
アフターフォローがあると、顧客は「大切にされている」と感じ、リピート率が大幅に向上します。
戦略5:ターゲット顧客の絞り込み|「全員に好かれる」から卒業する
高単価顧客は誰か?
客単価10,000円以上を払う顧客には、明確な特徴があります。
高単価顧客のペルソナ
- 年齢:30-50代(特に40-50代)
- 職業:会社員(管理職・オフィスワーカー)、経営者、専門職
- 年収:600万円以上(推定)
- 来店頻度:月2回以上
- 悩み:睡眠障害、眼精疲労、ストレス、自律神経の乱れ
- 価格感度:低い(価値重視、時間とお金に余裕がある)
逆に、客単価5,000円前後の顧客は「慰安目的」が多く、価格に敏感です。
ターゲットを絞るメリット
「全員に好かれようとすると、誰にも選ばれない」
これは、マーケティングの基本原則です。
ターゲットを絞るメリット
- マーケティングの効率化:誰に、何を、どう伝えるかが明確
- 専門性の向上:特定の悩みに特化することで、技術が深まる
- 高単価設定の正当化:「〇〇専門」は高価格の根拠になる
- 口コミ・紹介の質向上:「〇〇で悩んでいる人には、あのサロンがおすすめ」
デメリットは、市場規模が縮小することですが、高単価で収益性が上がるため、トータルでは利益が増えます。

値上げで顧客を失わない科学的アプローチ
「値上げ=客離れ」は本当か?データが示す意外な真実
多くのオーナーが「値上げをしたら、お客様が離れるのでは?」と不安を感じています。
しかし、データは違う現実を示しています。
値上げに対する顧客の反応
- 約60-70%の顧客が値上げに納得
- 満足度が高いサロンでは約40-50%が「変えるつもりはない」と回答
- 値上げによる離脱率:適切な告知があれば5-10%
つまり、「満足度が高ければ、値上げをしても大半の顧客は残る」のです。
値上げで失敗する3つのパターン
失敗パターン1:事前告知が不十分
失敗事例:整体院(1ヶ月前告知、離脱率30%)
ある整体院は、1ヶ月前に突然「来月から1,000円値上げします」と告知しました。理由の説明もなく、サービス内容も据え置き。結果、既存客の30%が離脱し、口コミで評判が悪化。売上は一時的に20-25%減少し、回復まで6ヶ月以上かかりました。
教訓
- 告知期間は最低3ヶ月前
- 値上げの理由を明確に説明
- サービス内容の向上とセットで実施
失敗パターン2:価値向上の施策なし
「値上げするけど、サービスは今まで通りです」
これでは、顧客は納得しません。値上げをするなら、必ず「価値の向上」とセットで実施しましょう。
価値向上の例
- 新しいオプションメニューの追加
- 高品質な商材への変更
- 内装・アメニティの改善
- カウンセリング時間の延長
失敗パターン3:顧客層の分析不足
「慰安目的」の顧客と「治療目的」の顧客では、価格感度が全く異なります。
- 治療目的の顧客:3,000円の値上げでも離脱ほぼゼロ
- 慰安目的の顧客:1,000円の値上げで30%離脱
あなたのサロンの顧客は、どちらが多いですか?値上げ前に、顧客層を正確に把握しましょう。
値上げで成功する「5つのステップ」
ステップ1:3ヶ月前から告知を開始する
告知の3段階
- 3ヶ月前:「〇月から価格改定を予定しています」
- 2ヶ月前:「価格改定の理由と、新しいサービス内容」
- 1ヶ月前:「価格改定まであと1ヶ月。今月中のご予約がお得です」
ステップ2:値上げの理由を丁寧に説明する
説明すべき3つの理由
- 材料費・人件費の上昇:「高品質なオイルに変更するため」
- サービス品質向上のための投資:「新しい技術研修を受講しました」
- 業界全体のトレンド:「ドライヘッドスパの相場が上昇しています」
ステップ3:既存顧客への特別対応
推奨する特別対応
- 既存顧客は3ヶ月間据え置き
- 回数券の特別価格販売(値上げ前価格で購入可能)
- リピーター限定の特典付与
ステップ4:価値向上施策を同時に実施
値上げと同時に、必ず「価値の向上」を実施しましょう。
実施例
- 新オプションメニュー追加(アイケア、フットケア)
- 高品質タオル・ローブへの変更
- ウェルカムドリンク・アフタードリンクの提供
- カウンセリングシート改善
ステップ5:段階的な値上げ
一度に大幅な値上げは避けましょう。1,000円ずつ、年1回程度が理想です。
段階的値上げの例
- 2025年4月:6,000円→7,000円(+1,000円)
- 2026年4月:7,000円→8,000円(+1,000円)
- 2027年4月:8,000円→9,000円(+1,000円)

ケーススタディ|客単価7,000円→10,000円、年間利益+180万円
モデルサロンの設定
サロン概要
- 業態:ドライヘッドスパ専門店
- 立地:地方都市の駅徒歩5分
- スタッフ:2名体制(オーナー+スタッフ1名)
- 営業:週6日、1日10時間
改善前の状況
- 客単価:7,000円
- 月間顧客数:200人
- 月商:140万円
- 年商:1,680万円
- 年間利益:約500万円(利益率30%)
- 課題:予約は埋まっているが利益が少ない
6ヶ月間の改善プロセス
Month 1:メニュー改定
実施内容
- 既存メニュー(60分6,000円、90分9,000円)を廃止
- 松竹梅の3価格帯に変更
- 梅:50分 4,800円
- 竹:70分 7,800円(推奨★)
- 松:90分 12,000円
結果
- 竹の選択率:58%
- 平均客単価:7,500円(+500円)
- 月商:150万円(+10万円)
Month 2:オプション提案の強化
実施内容
- アイケア10分(+1,000円)導入
- フットケア20分(+2,000円)導入
- スタッフ研修(提案トークのロールプレイ)
結果
- オプション購入率:35%
- オプション平均単価:1,200円
- 平均客単価:7,920円(+420円)
- 月商:158万円(+8万円)
Month 3:回数券導入
実施内容
- 5回券:45,000円(10%オフ)
- 10回券:85,000円(15%オフ)
- 既存顧客への案内(3回目来店時に提案)
結果
- 回数券購入率:25%
- 先取り売上:月75万円(5回券×15人)
- キャッシュフロー大幅改善
Month 4:物販導入
実施内容
- アロマオイル(2,000-5,000円)
- ネックピロー(4,000-8,000円)
- アイマスク(2,000-3,000円)
- 待合スペースに陳列、施術後に提案
初期投資
- 仕入れ:30万円
- 陳列棚・POPツール:10万円
- 合計:40万円
結果(Month 4-6の平均)
- 物販購入率:18%
- 物販平均単価:3,200円
- 月間物販売上:11.5万円(200人×18%×3,200円)
- 粗利率50%として、月間粗利:5.75万円
Month 5:価格改定の準備
実施内容
- 既存顧客への3ヶ月前告知
- 値上げ理由の説明(高品質オイル導入、研修費用)
- 新しいウェルカムドリンク導入
- 内装の一部改装(照明・アロマディフューザー)
Month 6:価格改定実施
新価格
- 梅:50分 5,500円(+700円)
- 竹:70分 8,800円(+1,000円)
- 松:90分 13,000円(+1,000円)
結果
- 離脱率:8%(200人中16人)
- 残存顧客:184人
- 新価格での平均客単価:9,300円
- オプション・物販込み:10,200円
- 月商:188万円(184人×10,200円)
Before / After 比較
項目 | 改善前 | 改善後(6ヶ月後) | 変化 |
|---|---|---|---|
客単価 | 7,000円 | 10,200円 | +45.7% |
月間顧客数 | 200人 | 184人 | ▲8% |
月商 | 140万円 | 188万円 | +34.3% |
年商 | 1,680万円 | 2,256万円 | +34.3% |
年間利益(利益率30%) | 504万円 | 677万円 | +173万円 |
投資回収
- 初期投資:50万円(メニュー表10万円+物販40万円)
- 月間利益増:約14.4万円(173万円÷12ヶ月)
- 投資回収期間:約3.5ヶ月
成功の3つのポイント
- 段階的な改善:一度にすべてを変えるのではなく、月ごとに1つずつ施策を実施。効果を測定しながら進めたことで、失敗リスクを最小化。
- 価値向上とセットの価格改定:値上げだけでなく、新オプション・物販・内装改善を同時実施。顧客は「価格は上がったが、サービスも良くなった」と納得。
- 既存顧客への丁寧な対応:3ヶ月前告知、理由説明、特別価格での回数券販売。これにより離脱率を8%に抑制。

売上規模別の実践モデル
月商150万円サロン(1-2名体制)
現状
- 客単価:7,000円
- 月間顧客数:214人
- スタッフ:オーナー1名(+パート1名)
優先施策(Phase 1)
- オプション提案の強化(投資:ほぼゼロ)→ 期待効果:客単価+500-1,000円
- 松竹梅メニュー導入(投資:5-10万円)→ 期待効果:中価格帯の選択率向上
- 回数券導入(投資:5-15万円)→ 期待効果:LTV+30-50%
目標
- 目標客単価:8,500円
- 目標月商:182万円(+32万円、+21%)
- 実施期間:3-6ヶ月
- 投資回収:2-4ヶ月
注意点
- 1人体制の場合、キャパシティ限界に注意
- 稼働率85%以上で増員検討
- オーナーの労働時間管理
月商200万円サロン(2-3名体制)
現状
- 客単価:7,500円
- 月間顧客数:267人
- スタッフ:オーナー+スタッフ1-2名
優先施策(Phase 1-2)
- メニュー体系の本格的見直し(投資:20-50万円)→ 期待効果:客単価+1,000-2,000円
- 物販の本格展開(投資:30-60万円)→ 期待効果:客単価+1,000-1,500円
- 価格改定の準備・実施(投資:10-20万円)→ 期待効果:客単価+1,000-1,500円
目標
- 目標客単価:10,500円
- 目標月商:280万円(+80万円、+40%)
- 実施期間:6-12ヶ月
- 投資回収:4-8ヶ月
注意点
- 3名体制への移行タイミング検討
- シフト設計の複雑化対応
- スタッフマネジメント時間の確保
月商250万円以上サロン(3-4名体制)
現状
- 客単価:8,000円
- 月間顧客数:313人
- スタッフ:オーナー+スタッフ2-3名
優先施策(Phase 2-3)
- ブランディング戦略(投資:100-300万円)→ 期待効果:客単価+2,000-3,000円
- サブスクリプション本格展開(投資:20-50万円)→ 期待効果:売上の安定化、LTV向上
- 組織体制の強化(投資:継続的)→ 期待効果:品質安定、オーナー労働時間削減
目標
- 目標客単価:12,000円
- 目標月商:376万円(+126万円、+50%)
- 実施期間:12-24ヶ月
- 投資回収:6-18ヶ月
注意点
- オーナーの経営専念体制構築
- 組織文化の浸透
- 品質管理の仕組み化
今日からできる3つのアクション
アクション1:現状把握(所要時間:30分)
やること
- 直近3ヶ月の客単価を計算する
- メニュー別の売上構成比を分析する
- オプション・物販の購入率を確認する
質問フォーム
- 平均客単価:_____円
- 最も売れているメニュー:_____(売上構成比___%)
- オプション購入率:_____%
- 物販購入率:_____%
この数値から、あなたのサロンの「伸びしろ」が見えてきます。
アクション2:メニュー表の見直し(所要時間:1-2時間)
やること
- 松竹梅の3価格帯に整理する
- おすすめ(★)を明示する
- オプションの視認性を向上させる
メニュー表チェックリスト
- [ ] 価格帯は3-4種類か?
- [ ] 売りたいメニューが中価格帯か?
- [ ] おすすめマーク(★)があるか?
- [ ] オプションが分かりやすく表示されているか?
- [ ] 端数価格(9,800円等)を使っているか?
アクション3:スタッフミーティング(所要時間:1時間)
議題
- 客単価向上の目標を共有する
- オプション提案のロールプレイをする
- 成功報酬(インセンティブ)を設定する
インセンティブ設計例
- オプション購入率30%達成:月5,000円
- 物販売上月10万円達成:売上の5%
- 客単価10,000円達成:月10,000円
スタッフが「客単価向上は自分のメリットにもなる」と感じることが重要です。
結論:客単価向上は「明日から」始められる
この記事で紹介した5つの戦略の多くは、高額な投資や複雑なシステムを必要としません。
投資額ゼロ〜10万円でできる施策
- オプション提案の強化
- 松竹梅メニューの導入
- 端数価格の設定
- 回数券の導入
必要なのは、「今日から実行する」という決断だけです。
客単価7,000円から10,000円へ。たった3,000円の差が、年間216万円の利益差を生みます。
スタッフを増やさず、営業時間を延ばさず、新規顧客を集めなくても、売上は1.4倍になる。それが、客単価向上の力です。
まずは「メニュー表の見直し」から始めてみてください。それだけで、来月の売上は変わります。
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