「周りのサロンより高くしたら、お客さんが来なくなるかも…」 「なんとなく60分5,000円にしたけど、全然利益が残らない…」 「値上げしたいけど、既存のお客様が離れそうで怖い…」
ドライヘッドスパのオーナーさん、料金設定に悩んでいませんか?
実は、ドライヘッドスパの廃業率は1年で60%、3年で90%。その最大の原因のひとつが「安すぎる料金設定」です。原価率が5〜10%と低いビジネスモデルだからこそ、価格設定が経営の生死を分けるのです。
この記事では、2026年最新の市場データをもとに、ドライヘッドスパの料金相場・メニュー構成・客単価アップの戦略を徹底解説します。開業前の方も、すでに営業中で「料金を見直したい」方も、すぐに使える内容です。
ドライヘッドスパの料金相場【2026年最新】
時間帯別の全国平均
2026年現在、最も需要の高い60分コースで6,000円〜8,000円が全国的な相場です。時間単価は1分あたり100円〜130円が標準ラインとなっています。
施術時間 | 料金相場(税込) | 主なターゲット |
|---|---|---|
30分 | 3,000円〜4,000円 | 隙間時間、頭部のみの集中ケア |
45分 | 4,500円〜6,000円 | 初回体験、短時間リフレッシュ |
60分 | 6,000円〜8,000円 | 最も一般的。頭部〜肩・デコルテ |
75分 | 8,000円〜9,500円 | 慢性的な疲労へのアプローチ |
90分 | 9,000円〜12,000円 | 深い睡眠誘導、自分へのご褒美 |
120分 | 12,000円〜17,000円 | 足裏・ハンドを含むトータルケア |
地域別の料金差
賃料やターゲット層の可処分所得の違いにより、地域差は明確に存在します。
地域 | 60分の相場 | 特徴 |
|---|---|---|
東京都心(銀座・表参道) | 8,000円〜10,000円 | 完全個室・ブランド力で価格を正当化 |
大阪・名古屋・福岡 | 6,500円〜8,500円 | 利便性と専門性の両立が求められる |
地方都市・郊外 | 5,000円〜7,000円 | リピート重視の設計が重要 |
ポイントは、地方だから安くしなければいけないわけではないということ。地方でも「専門店」としての技術と空間を整えれば、6,000円以上の価格設定は十分に通用します。
個人サロン vs 大手チェーンの違い
大手チェーン(悟空のきもち等)は60分8,200円、90分12,300円と、相場より2割程度高い強気な設定です。「予約が取れない」という希少価値がブランドになっています。
個人サロン(1〜3人規模)では、初回クーポン価格(60分5,000円前後)で集客し、2回目以降は通常価格(6,000円〜7,000円)へ移行するモデルが主流です。
「安すぎる料金」が失敗を招く理由
「まずは安く設定して、お客さんを集めよう」——この考え方が、実はサロン廃業の最大の原因のひとつです。
安すぎる設定が生む3つの悪循環
1. 顧客層の質的低下
「安さ」だけで来店する顧客は、少しの値上げや他店のクーポンで簡単に離れます。リピート率が安定しない最大の原因です。
2. セラピストの疲弊
低単価を補うために客数を増やすしかなく、一人ひとりへの丁寧な接客ができなくなります。サービスの質が落ち、さらに客が離れる悪循環に陥ります。
3. ブランド価値の毀損
一度ついた「安い店」のイメージを覆すのは極めて困難です。後から値上げしようとしても、既存客からの抵抗が大きくなります。
結論:60分6,000円が「最低ライン」です。これを下回る料金設定は、自分の技術と時間の価値を不当に低く見積もることになり、中長期的な経営継続を困難にします。
損益分岐点から逆算する「正しい料金設定」
料金は感覚やなんとなくの相場で決めるものではありません。自分の生活を守るための「防衛線」として、数字から逆算して設定すべきです。
ドライヘッドスパの原価率
ドライヘッドスパは、物販を伴わない場合、原価率が5〜10%と極めて低いビジネスモデルです。
コスト項目 | 目安 |
|---|---|
タオルクリーニング | 1回200〜300円 |
フェイスシート・消耗品 | 1回100〜200円 |
アフターティー | 1回50〜100円 |
アロマ・照明・空調 | 1回100〜200円 |
合計(1施術あたり) | 450〜800円 |
美容室の材料費(10〜15%)や飲食店(30%前後)と比較して粗利率が非常に高いのが特徴です。だからこそ、最大のコストは「自分の時間と体力」であることを忘れてはいけません。
1人サロンの損益分岐点を計算する
必要な月間売上は以下の式で求められます。
必要売上 =(家賃 + 広告費 + 光熱費・雑費 + 目標所得)÷ 限界利益率
具体例で計算してみましょう。
項目 | 金額 |
|---|---|
家賃 | 150,000円 |
広告費(ホットペッパー等) | 100,000円 |
光熱費・消耗品・雑費 | 50,000円 |
目標所得 | 400,000円 |
合計(必要経費) | 700,000円 |
客単価7,000円・原価率5%(限界利益率95%)の場合:
- 必要客数:約105人/月
- 月22日営業なら:1日約4.8人
60分コース+準備・片付けで1人あたり約90分かかると仮定すると、1日5人なら7.5時間。決して無理な数字ではありません。
月間売上シミュレーション:4つのモデル
モデル | 客単価 | 1日客数 | 月営業日 | 月間売上 |
|---|---|---|---|---|
薄利多売型 | 5,000円 | 8人 | 22日 | 880,000円 |
標準バランス型 | 7,500円 | 5人 | 22日 | 825,000円 |
高単価・少数型 | 12,000円 | 3人 | 22日 | 792,000円 |
月商100万達成モデル | 8,000円 | 6人 | 22日 | 1,056,000円 |
注目すべきは、薄利多売型は月商88万円なのに1日8人をこなす必要がある点です。一方、月商100万円モデルは客単価8,000円×6人で達成できます。
客単価を上げることは「高く売る」ことではありません。セラピストの身体を守り、丁寧な接客を維持するための経営判断です。
見落としがちな「施術外の時間」
料金設定で見落とされがちなのが、施術以外にかかる時間です。
工程 | 時間 |
|---|---|
カウンセリング | 約15分 |
施術 | 60分 |
アフターティー・会計 | 約15分 |
片付け・準備 | 約10分 |
合計 | 約100分 |
60分6,000円の場合、実質的な時間単価は6,000円÷100分=60円/分(時給換算3,600円)。経営を安定させるには実質単価で1分100円以上(時給6,000円以上)を目指すべきです。
客単価を上げるメニュー構成の3パターン
料金設定は、単品メニューだけでなくメニュー全体の構成で考えることが重要です。成功しているサロンに共通する3つのパターンを紹介します。
パターン1:松竹梅型(王道・おすすめ)
ランク | コース内容 | 料金 |
|---|---|---|
梅 | クイック45分(頭部のみ) | 6,000円 |
竹 | スタンダード75分(頭〜肩・デコルテ) | 8,000円 |
松 | プレミアム120分(フルコース) | 12,000円 |
3つの選択肢がある場合、人は「一番安いのは不安」「一番高いのは贅沢」と感じ、真ん中を選びやすい傾向があります(極端回避性)。
ポイントは価格比率。梅と竹の差を小さく(2,000円)、竹と松の差を大きく(4,000円)設定すること。「たった2,000円で充実した施術が受けられるなら竹の方がお得」と感じてもらう設計です。
パターン2:プレミアム特化型
コース | 内容 | 料金 |
|---|---|---|
60分 | ヘッド集中 | 8,500円 |
80分 | ヘッド+背面 | 11,000円 |
100分 | ヘッド+背面+正面 | 14,000円 |
30分の短時間メニューを置かないことで、最初から高単価な客層のみを集客する設計です。「悟空のきもち」に近い戦略で、技術と空間に自信があるサロン向け。
パターン3:複合ハイブリッド型
メニュー | 内容 | 料金 |
|---|---|---|
ヘッドスパ単体 | 60分 | 7,700円 |
全身ケア | ヘッド60分+ハンド+足つぼ | 11,000円 |
フェイシャル付き | ヘッド+顔コリほぐし90分 | 13,200円 |
ヘッドスパ単体をフックにしつつ、組み合わせで1万円以上の単価を定着させるパターン。既存のボディケアやフェイシャルを持つサロンに特に有効です。
オプションメニューで客単価+20%
オプションは原価が極めて低いため、利益率を大幅に改善する武器になります。
オプション | 価格 | 効果 |
|---|---|---|
炭酸スプレー | 500〜800円 | 血行促進、爽快感 |
アロマオイル選択 | 500〜1,000円 | パーソナライズ感 |
温感アイマスク | 300〜500円 | 眼精疲労緩和 |
首肩オイルほぐし(+15分) | 1,500〜2,500円 | 施術の充実感 |
カウンセリング時に「今日は目がお疲れのようなので、温感アイマスクを追加しませんか?」と提案するだけで、客単価を1,000〜2,000円アップできます。
リピート率を高める料金の仕組み
新規集客にコストをかけ続けるより、既存のお客様に通い続けてもらう仕組みを作る方が、圧倒的に経営は安定します。
回数券
5回分の料金で6回分提供(1回あたり約17%割引)が定番です。
例:通常7,000円×6回 → 回数券35,000円(1回あたり5,833円)
最低6回の来店が確約され、キャッシュフローも安定します。
サブスクリプション(月額定額制)
月額10,000円で月2回の施術が、継続率が最も高い価格帯とされています。
顧客にとって「毎月1万円」は心理的なハードルが低く、サロン側は安定的な売上予測が可能になります。
次回予約割引
施術当日に次回予約を入れると500〜1,000円引き、または10分延長無料にする仕組みです。失客率を下げる最もシンプルで効果的な方法です。
リピート率の目安
指標 | 健全なライン |
|---|---|
新規リピート率(初回→2回目) | 40〜50% |
常連リピート率 | 90%以上 |
常連比率(月間客数のうち) | 60〜70% |
単価を1,000円上げた際にリピート率が10%以上下がらなければ、その値上げは成功と判断できます。
値上げを成功させる方法
すでに営業中のサロンで「今の料金が安すぎた」と気づいた場合、値上げは避けて通れません。重要なのは顧客に「納得感」を提供することです。
値上げ成功の4ステップ
1. 正当な理由を提示する
「材料費高騰に伴う改定」「新設備の導入」「メニュー改訂」など、ポジティブな文脈で伝えます。
2. 1〜2ヶ月前に告知する
店頭、SNS、公式LINEで十分な告知期間を設けます。
3. 価値の上乗せをする
値上げと同時に、オプション無料化やアフターティーの充実など、実質的な価値向上を伴わせます。
4. 既存客への猶予を設ける
「〇月末までにご予約いただいた方は旧価格で提供」とすることで、駆け込み需要と不満緩和を両立できます。
初回割引の適正範囲
新規集客のための初回割引は必要ですが、やりすぎは逆効果です。
割引率 | 評価 |
|---|---|
20〜30%引き | 適正。通常価格へのスムーズな移行が可能 |
50%以上 | 逆効果。「その価格が妥当」と刷り込まれ、通常料金でのリピート率が激減 |
おすすめは「価格を下げる」のではなく「価値を追加する」方法。「初回のみ15分延長無料」や「1,000円相当のオプション無料」なら、通常料金への移行がスムーズです。
「時間売り」から「価値売り」への転換
「60分いくら」という見せ方は、顧客の意識を「時計」に向けさせます。これを「施術後の変化」に向けさせることが、高単価を実現する最大のポイントです。
転換の具体例
転換前 | 転換後 |
|---|---|
ドライヘッドスパ 60分 6,000円 | 眼精疲労と脳疲労をリセットする「深眠コース」60分 8,500円 |
ヘッドマッサージ 90分 9,000円 | 今夜からぐっすり眠れる「睡眠改善プログラム」90分 12,000円 |
施術前にマイクロスコープで頭皮チェック、施術後に睡眠アドバイスシートを渡すなど、専門性を可視化することで、顧客は「マッサージの時間」ではなく「悩みからの解放」にお金を払うようになります。
男性客と女性客で響くポイントの違い
ターゲット | 重視するポイント | メニュー設計のヒント |
|---|---|---|
男性 | 費用対効果、時短、具体的な効果 | 「育毛促進・眼精疲労改善コース」90分 10,000円 |
女性 | 美容効果、リラックス、空間 | 「リフトアップ×ヘッドスパセット」75分 9,000円 |
男性の1回あたり利用単価は過去最高の4,879円に達しており、プラスαメニューへの支出意欲は高い状態です。「男性OK」を明示し、男性が重視する「料金のわかりやすさ」と「効果の可視化」を意識したメニュー設計が有効です。
まとめ:利益が残る料金設定の5つの原則
原則1:60分6,000円を最低ラインにする
これを下回ると、自分の労働価値を不当に低く見積もることになり、経営継続が困難になります。
原則2:松竹梅の法則で客単価8,000円を目指す
梅6,000円・竹8,000円・松12,000円の3段階で、多くの顧客が8,000円を選ぶ設計にしましょう。
原則3:オプションで「パーソナライズ化」する
カウンセリングに基づいた提案で、顧客満足度と客単価を同時に引き上げます。
原則4:「時間」ではなく「変化」を売る
メニュー名と見せ方を工夫し、「60分のマッサージ」から「悩みの解決」へ転換しましょう。
原則5:リピーターを最優遇する仕組みを作る
新規を安くしすぎるのではなく、通い続ける顧客が最も恩恵を受ける構造(次回予約割引・回数券・サブスク)を設計します。
「料金設定を見直したいけど、何から手をつければ…」という方へ
ここまで読んでいただいた方の中には、こう感じている方もいるかもしれません。
「理屈はわかった。でも、メニュー改訂もLINE配信もSNS更新も、全部1人でやる時間がない」
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よくある質問(FAQ)
Q1. ドライヘッドスパの60分の相場はいくらですか?
A:2026年現在、全国平均で60分6,000円〜8,000円が相場です。東京都心では8,000円〜10,000円、地方都市では5,000円〜7,000円と地域差があります。時間単価として1分あたり100円〜130円が標準ラインです。
Q2. 1人サロンで月商100万円を達成するには、どんな料金設定が必要ですか?
A:客単価8,000円×1日6人×月22日営業で月商約105万円が現実的なモデルです。松竹梅型のメニュー構成で8,000円のコースを「一番人気」に設計し、オプションで平均単価をさらに引き上げる戦略が有効です。
Q3. 値上げしたらお客様が離れませんか?
A:適切な手順を踏めば、大きな離反は防げます。1〜2ヶ月前に告知し、値上げと同時に価値の上乗せ(オプション無料化など)を行い、既存客に猶予期間を設けましょう。単価を1,000円上げてリピート率が10%以上下がらなければ、その値上げは成功です。
Q4. 初回割引はどのくらいに設定すべきですか?
A:通常価格の20〜30%割引が適正ラインです。50%以上の大幅割引は、通常料金でのリピート率を大きく下げるため逆効果です。おすすめは「料金を下げる」のではなく「初回のみ15分延長無料」など価値を追加する方法です。
Q5. 回数券とサブスクリプション、どちらが効果的ですか?
A:どちらもリピート率向上に有効ですが、目的が異なります。回数券(5回分料金で6回提供)はキャッシュフロー確保と来店習慣化に強く、サブスク(月額10,000円で月2回など)は安定的な売上予測に強みがあります。まずは回数券から始め、常連比率が高まった段階でサブスクを導入するのがおすすめです。
参考文献・出典
- リクルート「美容センサス2025年上期」
- ホットペッパービューティーアカデミー「数字で見る美容業界」
- 東京商工リサーチ「マッサージ業倒産動向調査」
- 各サロン公式サイト・予約サイト公開情報
